番組詳細


TVメタ情報 > 番組一覧 > 日付: 20240630 > エピソード: 1726009

エピソード情報

放送局 NHK総合
プログラム名 NHKスペシャル
エピソード名 法医学者たちの告白
カテゴリ 教育教養
放送時間 2024-06-30 21:00:00 〜 2024-06-30 22:00:00
WireActionデータ更新時刻 2024-07-01 01:10:43

コーナー・トピック・パラグラフ


(オープニング) [corner=15280269]
オープニング [topic=22675280] 詳細
[ 21:00:00 - 21:00:05 ] 5秒 詳細
オープニング映像。
法医学者たちの告白 [topic=22676637] 詳細
[ 21:00:05 - 21:03:00 ] 175秒 詳細
千葉大学法医学教室の岩瀬教授は日本最大規模の法医学チームを束ねている。千葉大では警察からの依頼で年間400体の解剖を行っている。取り扱う遺体が増えたため解剖が数週間待ちになっており、警察からは効率化を求められている。ドラマではヒーローとして描かれる法医学者だが、現実は計り知れない重圧の中にいた。

法医学者たちの告白 [corner=15281265]
告白1 清水惠子 死者の声を聞く [topic=22676649] 詳細
[ 21:03:00 - 21:13:42 ] 642秒 詳細
旭川医科大学の清水教授は法医学者になって25年。これまで4000体もの遺体を解剖してきた。法医学者の役割は解剖を通して事件捜査に貢献すること。法医学者が向き合うのは死者のうち異状死と呼ばれる遺体で、犯罪による死の可能性がある遺体については司法解剖を行う。清水教授は袴田巌さんの再審で脚光を浴びた。事件から1年以上たって味噌樽から見つかった衣服が袴田さんのものとされたが、血痕には赤みが残っていた。弁護団は血痕に赤みが残るのは不自然だとして、証明を清水教授らに託した。清水教授らは味噌に浸かった血痕の色味がどう変化するか実験を行い、結果1年以上味噌に浸かると血痕が黒くなることを科学的に示した。鑑定が決め手となって裁判のやり直しが決定した。取材中にも遺体が運び込まれた。この日の遺体は-1℃の路上で倒れているところを発見され、解剖が必要と判断された。頭部にくも膜下出血があり、頭のてっぺんには大きな亀裂があった。清水教授は遺体を解剖し、死因が低体温症で頭蓋骨骨折が死因になるほどではないと警察に伝えた。
告白2 岩瀬博太郎 法医学の危うさ [topic=22676658] 詳細
[ 21:13:42 - 21:20:05 ] 383秒 詳細
法医学者の岩瀬教授は長年、東大と千葉大の教授を兼務してきた。法医学の改革のため人員や予算を増やすよう国に求めてきたが、遅々として進んでいない。岩瀬教授は1996年に起きた足立区首なし殺人事件で解剖を担当した。警察は首絞めによる殺人ではないかと見立てを述べたが、解剖すると首絞めの所見は見当たらず「死因は判定できない」と岩瀬教授は結論付けた。死因にこだわる警察は当時学会の権威とされた石山教授にも死因の調査を依頼した。石山教授は肺の一部が膨張していることから首絞めによる殺人だと述べたが、岩瀬教授には医学的根拠のない鑑定に思えたという。アパートの庭から頭部が発見されたDNAが胴体と一致。住人が逮捕され、同居していた女性と口論になりバットで頭を殴ったと犯行を自白した。頭部には亀裂があり、自白が正しいと裏付けられた。
争点1 殺害現場 [topic=22676778] 詳細
[ 21:20:05 - 21:24:16 ] 251秒 詳細
2005年に栃木・旧今市市で小1女児が姿を消し、茨城・常陸大宮市の山林で遺体が見つかった。ナイフで胸を刺され斜面に投げ捨てられていた。事件から9年後に犯人像に合致した男が逮捕され犯行を自白したが、裁判が始まる前に自白は強要されたものだと無実を訴えた。裁判の争点は主に「遺体の発見現場で殺害した」「死亡推定時刻は翌朝4時頃」の2つ。女児の体内からは1リットル以上の血液がなくなっていたが警察が撮影した写真には血溜まりは見当たらず、弁護側は山林が現場ではないと主張した。検察は斜面が青く光るルミノール検査の写真を法廷に提出しており、この写真によって大量の血液が流れたと訴えた。検察側の証人となった岩瀬さんは、ルミノール反応が血液の証明になると断定するには躊躇があり「ルミノール反応が本当に血液に反応しているのかは問題がありますが、血液だとすればそれなりに広い範囲に地が落ちてるという印象は受けます」と証言した。。
争点2 死亡推定時刻 [topic=22676780] 詳細
[ 21:24:16 - 21:29:55 ] 339秒 詳細
死亡推定時刻についても争われた。解剖では女児の胃の中に食べ物が消化されずに残っていることが判明していた。食後4時間で死亡したとするのが法医学の常識とされていたが、弁護側は被告が自白した殺害時刻は食後15時間がたっており大きく矛盾すると主張した。検察側は食後15時間でも矛盾はないか、岩瀬教授に証言を求めた。岩瀬教授はストレスがかかったり薬を飲まされると食後経過時間はあてにならなくなると証言した。2016年、宇都宮地裁は被告に無期懲役の判決を言い渡した。判決は岩瀬教授の証言を重要な裏付けとして盛り込んでいた。岩瀬教授の証言は弁護側の主張を否定し、検察側を認める方向で使われた。岩瀬教授は当時を振り返り、裁判上は科学が都合よく編集されてしまうと話した。
告白3 吉田謙一 ”無視される”法医学 [topic=22676672] 詳細
[ 21:29:55 - 21:41:49 ] 714秒 詳細
東京大学名誉教授の吉田さんは女児が殺害された今市事件で弁護側の証言を依頼された。今市事件の二審で、吉田さんは遺体の発見現場で殺されたのかという争点に改めて挑むことになった。吉田さんは血痕学の権威であるドイツの法医学者に意見を求めることにした。捜査資料を翻訳して送ると、血溜まりはなく一番大きな血痕で数ミリリットルだという見解が届き吉田さんは殺害現場ではないと確信した。次に、事件当時の血痕の状況を科学的に実証するために本物の血液を斜面に撒いた。検察は土に染み込んだ可能性もあると主張していたが、一昼夜がたっても血液に変化はなく染み込んでもいなかった。また落ち葉には酸化鉄が含まれており、ルミノール検査薬が反応して光ることがわかった。吉田さんが法廷で証言すると、裁判長は検察に「訴因変更を請求する予定はありますか」と尋ね検察は「検討して速やかに回答します」とした。その後、検察官は殺害現場と殺害時刻に関してそれまでの起訴内容を変更する手続きを行った。被告を犯人としたまま、殺害現場は栃木県内か茨城県内またはその周辺、殺害時刻は1日午後2時38分頃から2日午後4時頃までの間と大きな幅をもたせた。二審の判決は再び無期懲役で、裁判長は吉田さんの主張を踏まえて山林が殺害現場とは言えないとした。そのうえで殺害現場に関しては被告が虚偽の自白をした疑いがあると指摘し、一方で殺害したという自白そのものは信用できると判断した。2020年に無期懲役が確定したが、弁護団は再審請求を準備している。
告白4 小林雅彦 日本を飛び出した法医学者 [topic=22676821] 詳細
[ 21:41:49 - 21:55:09 ] 800秒 詳細
ホノルルの法医学者・小林さんが所長を務めるホノルル監察医事務所は市の予算で運営する独立機関で、年間3500体の異状死体を取り仕切っている。東大法医学教室で吉田さんや岩瀬教授と同じ教室にいた小林さんは、33歳でアメリカ行きを決意した。小林さん直属の捜査官は強制力のある捜査権を持ち、死因の究明に必要な情報を集めることができる。事務所は警察から独立しており、ホノルルでは解剖するかどうかも法医学者が決める権限を持っている。取材中にホノルルで殺人事件が起き、法医学チームも現場に立ち会った。遺体の捜査は小林さんと捜査官が警察より優先して行い、警察は遺体を動かしてはいけない。法医学チームは死因の特定のみを行い、それ以上を答える義務はない。ホノルルでは検察側の証人が弁護側に情報提供することが推奨されている。ホノルルの検事は監察医は検察側でも被告側でもなく、中立的で客観的な専門家とみられていると話した。
降り掛かった難題 [topic=22676831] 詳細
[ 21:55:09 - 21:58:30 ] 201秒 詳細
異状死体の増加に伴い、岩瀬教授は解剖を効率化し受け入れを増やすよう求められてきた。国の支援がないためNPO法人を作るなどして体制を強化してきたが、それも限界を迎えていた。警察の方からは別の大学と契約することも視野に入れていると言われた。解剖数が減らされれば後進の育成も滞ってしまう。岩瀬教授は悩んだ末、一部効率化して受け入れを増やすことにした。岩瀬教授は冤罪が増えたなって思う日が来るかもしれないと話した。

(エンディング) [corner=15281501]
エンディング [topic=22676951] 詳細
[ 21:58:30 - 21:59:00 ] 30秒 詳細
エンディング映像。