パラグラフテキスト |
チコちゃんが「なぜ漢字に書き順がある?」と聞いてゲストが答えを予想した。正解は先生が教えやすいから。広島大学の松本仁志教授によると漢字の書き順は昭和33年に当時の文部省が決めた。 日本初の公式の漢字の書き順が載っている「筆順指導の手びき」には書きやすさ・読みやすさ・覚えやすさを基準に881文字の書き順を掲載。江戸時代には書き順について書かれた書物があった。筆の流れに従えば自ずと書き順が決まったということもあったが明治時代になると鉛筆が普及し筆の流れを気にせずに書くようになったため書き順はバラバラになっていった。また本によって書き順はバラバラだった。当時の文部省に勤めていた沖山光は元小学校教師だった経験をいかし学年別漢字配当表を作った。沖山のもとへ「生徒によって書き順が違うため混乱している」と相談が入ったことがきっかけで書き順を決めることに。沖山は専門家を集めて委員会を開いた。しかし自分の書き順に信念を持った人たちの会議は毎回大揉めしある書道家は「私の流派の書き順を認めないなら切腹をする」という騒ぎにまで発展した。そこで同僚の江守賢治が書く順番を上から下、左から右など原則を決めたらどうかとアドバイスした。沖山はこのアドバイスをもとに筆順十の原則を考案。頑固だった専門家たちもルールを決めたことで理解も深まり最後はスムーズに書き順を決められた。漢字881文字は期間2年、会議約80回の末に完成した。「筆順指導の手びき」によると決まった書き順以外で書いても間違いではなく目的は先生が教えやすく子どもが書きやすいこと。松本先生によると書き順のテストで間違っても書き順は絶対的なものではないので怒らないでほしいとのこと。 |