パラグラフテキスト |
撮影3日目、屋台の店先に立つ一人の少年がいた。アフガニスタン風の揚げパンのお店で、義理の兄(姉の夫)から店番をするように言われているのだという。少年はアフガニスタンから来て8か月。13歳だが学校には通えていないという。少年は、将来は英語の先生になりたいという夢を語ってくれた。夕方4時半、ストリートのすぐ近くにあるバス停で、1日目にレストランで会ったハザラ人の男性と会った。これから緑内障の治療のため、大きな病院のある都市に行く。目が良くなったら飲食店を始めたいと考えているという。男性は「人間は希望があるから生きていける、僕は希望を持って前に進み続けるつもりです」と語った。夜、屋台の少年を再び訪ねた。これからサッカー場へ向かうのだという。サッカー場には続々と人が集まってきた。全員アフガニスタン人。街で知り合った仲間たちと、毎晩サッカーをしているとのこと。深夜11時、撮影を拒まれたレストランの経営者から連絡を受けた。撮影を中止にした理由を話したいとのことだった。経営者は、タリバンに見つかることを恐れるお客がいて、その人たちを庇っていたことを話してくれた。経営者は理由も言わずに撮影を中止にしたことを謝罪した上で、翌朝、仕込みの様子なんかも撮影して欲しいなどと話した。 |