パラグラフテキスト |
ケニアの首都・ナイロビの市場では時折、大きな袋があちらこちらに配られるところから1日が始まる。行商人がその荷解きをする。中身は世界中から届いた数千着の古着。フランスからも送られている。着なくなったものや売れ残り、寄付などだ。ドルカスさんもイギリスから届いたばかりの荷物を開けている。一袋に平均100ユーロの代金を支払う。これを転売すると倍の金額が得られる。ただ問題なのは買い取ったうちの半分ほどが売れない品だったりすること。ケニアにはヨーロッパから年間数百万着の衣服が届く。いくつかのNGOによると80万着がフランスからのものだが、その3分の1は傷みが酷く転売できない。それらはナイロビの通りに捨てられていく。あるいはナイロビ北東部にあるダンドラのごみ集積所にたどり着く。スタンレーさんは環境保護活動家。何年も前から衣服による汚染を調査している。ダンドラは東アフリカ最大のごみ集積所だ。30万平方メートルの敷地に何トンものごみが溜まっている。ここを作業場としている人々や子どもたちもいる。ここでも古着は役に立たない。ケニアには今の所そうしたゴミを選り分けて活用する術はない。古着はナイロビ市内の通り沿いにまであふれている。スタンレーさんはできる限りの対応をしたいと考えている。月に数回あるNGOと共同で市民による清掃事業を行っている。ドリーさん親子は毎回のように参加している。 |