パラグラフテキスト |
比較的豊かなはずの開城市ですら毎日数十人の餓死者が出ているという北朝鮮。平壌周辺では食糧不足や転売目的の職員などの食料着服により刑務所で集団脱獄も発生し、逃走中に強盗や殺人が横行している。2000年代に入って初めて兵士への食糧支給も縮小され、一般住民水準になった。優先対象である軍の食料まで減った事は北朝鮮の食糧難が深刻なことを示しているという。主要都市の住民には軍の備蓄名目で2~3日に一回米を差し出すように促しているそう。北朝鮮の軍は元々人数過剰であり、入隊すると栄養失調になるとすら言われていた。なぜここまでになっているのか。韓国の見解では慢性的な食糧不足やコロナで国境を封鎖した事に加え、新たな糧穀政策が原因だという。北朝鮮は集団農業を行っており、創意工夫で収穫量などを増やすことが許されず取り分も少ないので農民の意欲が低いという問題が慢性的にあった。さらに食料の国家専売制への移行を画策したものか、2003年に合法化した市場に対して政府が販売抑制を行い、市場は国営の糧穀販売所に流通を転換。しかし必要な食糧を国家が確保できず、先行き不安で市場の食料が値上がりするなど機能不全が起きた。金正恩総書記は主食を支配の道具として活用するカロリー統治を画策していたのだろうと専門家。金正恩総書記は2012年、就任後初の演説で人民が飢える事が無いようにすると宣言し、2020年には生活上の困難を脱することができずにいると演説で涙を見せた。 |