パラグラフテキスト |
熱海市伊豆山に住む石川光衛さん(90)は馴染みの利用者。自宅の前には50段の階段がある。2022年5月に夫婦揃って半年ぶりに外出し、熱海市のレストランで開かれた3年ぶりの家族会に参加した。日頃のお礼に家族が河瀬夫婦にもごちそうした。伊豆山地区では2021年7月に土石流災害が発生して28人が死亡した。河瀬夫婦も所有していた介護タクシーが土砂に押し流されてしまったが、車椅子を持って住民の家を訪れて、12人の命を救った。河瀬夫婦は自宅のガレージを無料で提供し、移動カフェを営む佐竹純一さん(40)が被災した住民の居場所をつくるための無料カフェを開いた。災害直後から地元の青果店が週に一度の野菜の移動販売を始めた。河瀬夫婦は住民の買い物も手伝っている。河瀬さんは普段からの関係づくりが大事だと痛感したと語った。災害が起きてから河瀬夫婦は大雨の予報が出ると、万一に備えて事務所に泊まり込むようになった。この日は近所の高齢女性が携帯の充電ができず娘と連絡が取れなくなってしまったと言って訪ねてきた。2023年7月、河瀬夫婦は石川さんの自宅を訪ねた。光衛さんは家族と食事に言った7カ月後に91歳で亡くなっったという。家族は河瀬さんへの感謝を語った。 |