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ことし9月に日本で公開されるアニメ映画は、5年前に、ウクライナで制作された。売れない俳優の主人公とキーウの王女が恋に落ち、悪の魔法使いに立ち向かう物語だ。ウクライナのアニメ映画が日本で公開されるのは、これが初めてだ。配給プロデューサーを務める粉川さんは、もともと映画配給会社に勤務していて、軍事侵攻が続くいま、日本で公開するべきだと考えた。会社を辞めて、自分の貯金で配給権を買い、日本語の吹替版を作ることにこだわった。去年3月、キーウから避難してきたドミトリーさんは、ウクライナで日本語を学び、声優を目指していた。それを知った粉川さんは、出演を打診した。ドミトリーさんは、今作で声優デビューを果たし、コミカルな脇役を演じきった。吹替版の制作にかかる多額の資金をクラウドファンディングで募ると、700人近くから、900万円を超える金額が集まった。吹替版が完成し、今月、試写会が行われた。クラウドファンディングなどに協力してくれた人を招いた。粉川さんは、この映画を見て、子どもたちがウクライナという国があるということをまず知ってくれたら、このプロジェクトをやる意味でもあるなどと話した。映画の公開は、9月22日からで、収益の一部をウクライナへの寄付にあてることしている。 |