パラグラフテキスト |
夏の甲子園天理の2回戦。アルプススタンドに掲げられた横断幕は再試合を提案してくれた感謝の気持ちを込めて生駒が贈ったものだった。そこには天理と生駒が大切にしている言葉がともに刻まれていた。天理も生駒の選手を甲子園に招待した。生駒の応援を受けた天理だったが海星に4-2で敗れた。9月11日、再試合当日。生駒の3年生16人全員が揃った。生駒の先発は夏の決勝戦で登板するはずだったエースの北村。勝っても甲子園はないが全力で腕を振った。天理も感情を押し殺していた夏とは違い思い切り喜びを表していた。1点を負う生駒は6回、2アウトから飯田が出塁すると続く矢野がタイムリーを放ち同点に追いつく。さらに熊田キャプテンが勝ち越し打を打った。その裏、天理は戸井キャプテンが意地のホームランを放ち全力で喜びを表現した。その後天理は1点を勝ち越し最終回となる7回2アウト。ここで天理がタイムで集まり、戸井キャプテンはお互い全力で戦えたから今回は集まろうと伝えた。3-2で天理が勝利し、天理と生駒の選手たちはマウンドに集まって歓喜の輪をつくった。ウイニングボールは天理から生駒に渡された。ライバルとの友情が生まれた夏。生駒が贈った横断幕は天理高校のグラウンドで選手たちを見守っている。 |