パラグラフテキスト |
竹内さんは別の利用者も支援した。去年の夏、コロナに感染した認知症の男性・岩脇昭弘さん(80)。岩脇さんは週6日このデイサービスを利用。昼食・入浴・洗濯など生活のほぼすべてをこのデイサービスが支えている。しかし去年夏、この施設で利用者5人が感染するクラスターが発生し、岩脇さんもコロナにかかった。コロナに感染してデイサービスに通えなくなった岩脇さん。自力での療養生活は全く成り立たなかった。岩脇さんは身寄りはなく、家族はいない。竹内さんが3年前からケアプランを作成しているが、認知症は徐々に進んでいる。買い物に出かけるとつい、同じ食べ物を買ってしまう。岩脇さんがコロナに感染した去年8月、竹内さんは毎日食事を届け、熱を計り療養を支えた。竹内さんの事業所ではほかにも肺がんで片方の肺を切除している男性(94)など、自宅療養の感染者13人が頼る人がなく、ケアマネジャーらが支えた。大阪府は介護付きのコロナ療養所を2か所設けているが、受け入れに条件があるなど入所のハードルが高い実情がある。また、大阪府はコロナで自宅療養している人に訪問看護師を派遣しているが、派遣するかどうかは行政側の判断となる。先月29日、仕事納めの日の朝、身寄りがなく精神障害のある小畑さん。発病して7日、竹内さんが連日訪問し、療養を支えてきた。大阪府で新型コロナの療養中に亡くなった人は7600人を超え、95%以上が60歳以上。一人暮らしで体の弱い人が感染した時、自宅療養を支えることが不可欠だと竹内さんは感じている。 |