番組詳細


TVメタ情報 > 番組一覧 > 日付: 20240706 > エピソード: 1727155

エピソード情報

放送局 NHK総合
プログラム名 NHKスペシャル
エピソード名 うちらがせんと誰がする 〜能登・信金職員たちの6か月〜
カテゴリ 教育教養
放送時間 2024-07-06 22:00:00 〜 2024-07-06 22:50:00
WireActionデータ更新時刻 2024-07-07 02:14:18

コーナー・トピック・パラグラフ


(オープニング) [corner=15294956]
オープニング [topic=22698404] 詳細
[ 22:00:00 - 22:00:05 ] 5秒 詳細
オープニング映像。
うちらがせんと誰がする ~能登・信金職員たちの6か月~ [topic=22698439] 詳細
[ 22:00:05 - 22:02:38 ] 153秒 詳細
能登半島地震の被災地を走り回っているのは地元の信用金庫の職員。能登半島地震では299人が亡くなり、被災した企業の被害総額は3200億円。130以上の事業者が廃業に追い込まれた。信用金庫の職員たちはこの半年間、傷ついた地域経済を立て直すことに奔走してきた。地域で唯一のタクシー会社を存続させられるのか。

うちらがせんと誰がする ~能登・信金職員たちの6か月~ [corner=15295094]
うちらがせんと誰がする ~能登・信金職員たちの6か月~ [topic=22698556] 詳細
[ 22:02:38 - 22:08:17 ] 339秒 詳細
興能信用金庫は奥能登の経済を支えている。職員は約200人、大半が地元出身者。信用金庫は法律で営業できる地域が原則限られている。貸出先は個人事業主や地域の中小零細企業。興能信用金庫の営業地域は輪島市・珠洲市・能登町・穴水町。建設会社や旅館、地元スーパーなど取引先は3778。その6割以上が地震によって建物に被害を受けた。営業休止を余儀なくされた取引先は最大で1260。融資先のうち、廃業となったのは41。興能信用金庫・珠洲支店は取引先の7割が営業休止に追い込まれていた。支店長の中野文彦さんは地元出身で約30年営業一筋。日中は取引先を回り、地震後は約450件にのぼる。この日訪ねたのは燃料販売店。地区の350世帯にプロパンガスや灯油を売っていた。地震で自宅と店舗が倒壊し、客の多くが避難する中、事業の再開を断念したという。
[ 22:08:17 - 22:18:52 ] 635秒 詳細
4月、珠洲市で唯一のタクシー会社が事業を停止。タクシー会社は津波と地震で2台の車両が使えなくなり、社長の自宅が全壊。従業員も避難を余儀なくされた。珠洲市は65歳以上の人が半数を超え、日本の中でも特に高齢化が進んでいる。貴重な地域の足がなくなることを意味していた。その日の午後、地元のバス会社・社長の井口信二さんが支店を訪ねてきた。タクシー会社を引き継ぎたいという申し出だった。興能信用金庫は被災直後、停電や建物被害により、21店舗中9店舗が休業。地震前は黒字経営だったが、多くの融資先の経営状態が悪化した影響で昨年度は16億円の赤字になった。信用金庫の全国組織の関係者と資金をどう確保するのかについて話し合い、検討されたことの一つが休眠預金の活用だった。休眠預金とは全国の金融機関に預けられたまま、10年以上出し入れがない状態の預金のこと。集められた資金は審査の上で社会性の高い事業などに活用される。珠洲支店の中野文彦さんはバス会社の井口信二さんの家族がタクシー会社の引き継ぎに賛同していないことを知った。経理を担当する妻や将来、後を継ぐ予定の息子が事業が成り立つのかを懸念しているという。バス会社は7台の観光バスと地域の循環バスを運行している。しかし、コロナ禍に続く地震で利用客が大きく減少していた。息子の井口豊勝さんは珠洲のために何かをしてあげたいという気持ちも分かるが、気持ちだけで会社なんて経営できるわけじゃないなどと話した。中野文彦さんは会社が存続し続けなければ意味がないと話した。
[ 22:18:52 - 22:25:39 ] 407秒 詳細
復興を進める上でカギになるのが全国有数の温泉地・和倉温泉。地震前、年間53万人が宿泊。観光や移動の拠点となっていた。しかし、半年が経った今も9割以上の旅館が営業を再開できていない。被害総額は1000億円以上といわれ、復興の遅れが指摘されている。のと共栄信用金庫は和倉温泉を支えてきたもう一つの信用金庫。職員が事業者のつなぎ融資に奔走していた。会議では地域の厳しい状況が連日報告されていた。旅館の多くで建物の修理の見積もりすら出ず、融資できない状況が続いているという。この日、和倉支店を訪れたのは旅館経営者の高城一博さん。見積もりが出ておらず、営業再開の目処が立っていない。喫緊の課題は雇用をどう守るか。従業員は15人。給料を補填するため、国の補助金を使ってきたが、それも年内までしか使えない見込み。従業員を一度解雇すれば、再び集めるのは難しくなると考えていた。和倉支店・副支店長の松本陽平さんは高城一博さんに見積もりがない中、融資はできないと伝えた。のと共栄信用金庫は旅館が始めた新たな事業を手助けすることにした。空き家を改装し、寮や民宿として活用。旅館が再開するまで従業員にはここで一時的に働いてもらうという。改装工事の業者はのと共栄信用金庫が紹介した。高城一博さんは地域密着型でこういう人がいること自体がありがたいなどと話した。
[ 22:25:39 - 22:33:10 ] 451秒 詳細
5月、興能信用金庫・珠洲支店では5か月ぶりに断水が解消した。中野文彦さんはマイナスからでもスタートするという方には全力で震災前以上のプラスアルファの復興につなげなければ、私らの存在意義はないと話した。中野文彦さんは再びバス会社を訪れた。社長の井口信二さんは奥能登ではほとんどない福祉タクシーを運用するというアイデアを提案した。中野文彦さんも「能登ふるさと博」などの大規模イベントや復興需要で地域の外からの客を取り込めば、収益をあげられるのではないかと伝えた。次に訪れたのはタクシー会社。残っていた従業員は井口信二さんの計画を聞き、再び地域のために仕事がしたいと考えるようになったという。中野文彦さんは2年前から家族を自宅に残し、興能信用金庫の寮で単身赴任を続けている。食事のほとんどは買いだめした冷凍食品。自分が奥能登の再建の先頭に立たなければならないと考えている。
[ 22:33:10 - 22:38:49 ] 339秒 詳細
地域を支える信用金庫が復興の柱になると考えているのが地域外の力を活用すること。創業100年を超える奥能登の鍛治店は農具や漁具などを製造し、修理する野鍛冶という技術を大切に守ってきた。地震で被害を受けたものの、10日後には事業を再開した。被災する中で経営を支えたのが外から稼ぐ力。全国から包丁を送ってもらい、野鍛冶の技術で研ぎ、送り返すというサービスを行っている。地震後も地域の外から毎日20件ほどの依頼が来ている。サービスを広げるきっかけを作ったのは信用金庫だった。赤字続きだった鍛治店を立て直すため、3年前に仲介したのが東京の商社マン。販路を広げようと東京の展示会に出品し、大手通販サイトや全国展開しているホームセンターとの契約につなげた。全国から注文が絶えなかったことで地震後も新たに4人を雇用。被災して職を失った人も雇ったという。地震前、奥能登の年間消費額は1386億円。そのうち、約3割にのぼる468億円は地域外からの消費額だった。この割合は全国平均の60倍以上。
[ 22:38:49 - 22:49:00 ] 611秒 詳細
5月末、タクシー会社の引き継ぎ交渉が一つの山場を迎えていた。この日の会議にバス会社・社長の井口信二さん、タクシー会社・取締役の白木憲一さん、中小企業診断士を招いた。引き継ぎが実現した場合の具体的な事業計画を作るためだった。専門家の聞き取りにより、復興工事関連の需要である程度の売り上げが見込める可能性があることが分かった。計画をもとに譲渡に必要な資金額などを検討していくことになった。会議を受けて中野文彦さんはバス会社の事務所を訪ね、事業の引き継ぎに懸念を示していた井口信二さんの家族と話し合った。奥さんは前向きに考えるようになったという。先月中旬、再び関係者全員が集まる会議が開かれた。時期は定めないものの、バス会社が経営を引き継ぐ方向性を確認。それまでの間、タクシー会社は少しでも売り上げを出すために一部で営業を再開することになった。信用金庫はバス会社に経営改善のアドバイスなどの支援を行う。今回の地震によって被災した事業者の中には再建を諦めた人も少なくない。しかし、多くの人たちが新しい奥能登を作ろうと力を尽くし、珠洲市に新たなホテルがオープンすることになった。タクシー会社は3か月ぶりに営業を再開した。中野文彦さんは何年かかるか分からないが、もっとたくさんの方の笑顔が見られるように、できるかぎり全力でやっていきたいと話した。