番組詳細


TVメタ情報 > 番組一覧 > 日付: 20240713 > エピソード: 1330911

エピソード情報

放送局 関西テレビ
プログラム名 ザ・ドキュメント
エピソード名 さまよう信念 情報源は見殺しにされた メディアVS検察権力
カテゴリ 教育教養
放送時間 2024-07-13 01:25:00 〜 2024-07-13 02:25:00
WireActionデータ更新時刻 2024-07-13 08:04:43

コーナー・トピック・パラグラフ


(オープニング) [corner=11511970]
オープニング [topic=17549061] 詳細
[ 01:25:00 - 01:25:10 ] 10秒 詳細
オープニング映像。

ザ・ドキュメント [corner=11511971]
さまよう信念 情報源は見殺しにされた メディアVS検察権力 [topic=17549082] 詳細
[ 01:25:10 - 01:30:37 ] 327秒 詳細
崎濱盛三維持は高校の数学の教師を経て、36歳で医師免許を取得した。発達障害が知られていない時からその第一人者として家庭裁判所から頼りにされていた。しかし49歳の時に突然逮捕された。少年事件の供述調書がそのまま引用された一冊の本が火種になった。少年の精神鑑定を行った崎濱医師が本の著者に見せていたという。取材に強力した鑑定医が秘密漏示罪に問われた初めての事件。しかし崎濱医師には強い信念があった。始まりは2006年の放火事件。奈良県田原本町で一軒の住宅が全焼。家族と見られる3人の遺体が発見され、高校生の長男が行方不明になっていた。その2日後に行方不明だった長男は京都で発見され、現住建造物放火で逮捕された。捜査情報に基づいて少年に殺意があるとの報道が相次いだ。少年は2階で寝ていた家族がいた状態で一階の台所でゴミや紙に火をつけ階段付近にまいて、2階で3人が寝ていたと分かっていて死んでも良いと思ったなどとメディアでは報道された。家庭裁判所で非公開の中で行われる少年審判。検察は少年に確定的な殺意があったと大人同様に刑事裁判で裁くべきとした。有罪なら長期間刑務所に入ることが想定された。
[ 01:30:37 - 01:34:12 ] 215秒 詳細
少年は父に殺意があったと供述したが、父のいない日に放火していた動機を解明したのは裁判所から少年の精神鑑定を依頼された盛三医師だった。崎濱医師は少年には一つのことに集中すると他のことに注意が向かないことに特性をもつ広汎性発達障害があると診断した。父親から日常的に暴力をうけていたという少年はテストの点数で父親に嘘をつき、今度嘘をついたら殺すと言われ、言葉通りに受け取る特性から本当に殺されると思い父親の殺害を計画した。嘘がバレる前に戻る場所をなくして逃げようと家に火をつけた。少年は母親や兄弟は逃げると思い込んでいて殺意は全くなかった。再犯は起こりようもないとの鑑定書を裁判所に提出した。2006年10月、家庭裁判所は崎濱医師の鑑定書が信用できると判断し、広汎性発達障害の影響で父親が不在だった現実にあわせ計画を変更できず犯行の動機に酌むべき事情があるとし少年を教育が目的の少年院に送ることを決定。検察の主張を退ける異例の判断に。審判が決定する直前に事件の背景を明らかにする週刊誌の記事が出ていた。書いたのはジャーナリストの草薙厚子さん。奈良の放火事件についてはその少年は進学校に通う優秀な少年が火をつけたがそれは変な話だと思ったという。しかし発達障害と聞いて世間にその特性を広めればこういう事件は起こらないのではという気持ちで書いたという。法務省の少年鑑別所法務教官だった草薙さんは、アナウンサーやキャスターなどを経てジャーナリストとして少年事件を取材した著書を次々に刊行していた。
[ 01:34:12 - 01:39:00 ] 288秒 詳細
翌年に草薙さんは講談社から本を出版。僕はパパを殺すことに決めたという本は本の大部分は少年や父親の供述調書をそのまま引用した内容で少年の家庭環境や生育歴が詳細に記されたものだった。草薙さんは少年法で審判も公開されずにその内面について確かな情報が報じられなかったという。このままではこの事件の存在自体闇の中へと消えてしまうと綴っている。広汎性発達障害という概念を広めるべきと感じたのは環境的要因に左右されやすく周囲の人間が障害に理解を示すことで対人関係がスムーズに進むことがあるなどと書かれていた。ジャーナリストの諸永裕司さんは事件の背景に迫るこの本に注目していたが供述調書3000枚を用いたとの宣伝文句にどこから入手したのかと気になっていたという。憲法で保証されている表現の自由だが、取材の情報源を特定する強制捜査は禁じ手とされてきたはずだった。奈良地方検察庁はこの流出問題に少年の精神鑑定を行った医師の自宅などを家宅捜索した。奈良地検は崎濱医師や草薙さんの自宅を家宅捜索したという。諸永さんは情報源がいることで自分たちは真実に近づくことができるがその口が封じられれば事実に近づくことができなくなるという。メディアに対して仕掛けられた事件だと感じているという。
[ 01:39:00 - 01:40:30 ] 90秒 詳細
諸永さんの脳裏に浮かんだのはかつて国の機密を暴いた記者とその情報源が逮捕起訴された事件。1972年に毎日新聞の西山太吉記者が外務省女性事務官から沖縄返還を巡る機密文書を入手。2人は国家公務員法違反で逮捕。起訴状で二人の男女関係が明らかにされ世論はスキャンダル問題へと一変。裁判は事務官が有罪。西山記者も二審で逆転有罪に。諸永さんは検察がメディアの中に手を入れてくるという意味では極めてにている事件だという。

CM [corner=11512083]

ザ・ドキュメント [corner=11512084]
さまよう信念 情報源は見殺しにされた メディアVS検察権力 [topic=17549169] 詳細
[ 01:43:00 - 01:47:40 ] 280秒 詳細
検察は連日任意での取り調べを続けた。草薙さんは供述調書でどう入手しその人とどこで出会ったのか?とやたら聞いてきたという。情報源に着いて口を閉ざしていたが、取り調べで情報源を話しているとの一部報道が出た。草薙さんは会見を行い、真実を述べたがその会見から5日後に検察は草薙さんに崎濱医師を紹介した京都大学教授の研究室などを家宅捜索。諸永さんは草薙さんが少年事件で内部の資料や証言を表に出してきたことに対する検察の嫌悪感を感じるという。無関係だった京大教授との男女関係を執拗に問われ、検察からすればここで男女関係があればもう一度沖縄密約事件と同じ構図で立件できると考えたという。崎濱医師は任意での取り調べで草薙さんに調書をみせたことを認めていた。研修医時代から崎濱医師をよく知る勤務先の病院長は、その真意を尋ねたという。崎濱医師はその時に少年が発達障害で事件を起こしてしまったことを世間に広めたいが自分にはその力がないと語り、草薙さんにはその力があるので託したという。そのために自分は罪に問われて医師免許を失うかもしれないがそれを良しとしていると語っていたが確信犯だと感じたという。
[ 01:47:40 - 01:50:00 ] 140秒 詳細
強制捜査から1ヶ月後、崎濱医師は奈良地検に逮捕された。問われたのは秘密漏示罪。刑法には医師が正当な理由なく秘密をもらした場合に六ヶ月以下の懲役又は罰金になると書かれている。この罪に問われた例はこれまで確認されていない。堀弁護士は検察は一番立場の弱い報道機関ではない崎濱医師をターゲットにしてそれを見せしめに報道機関に牽制を図ったのではと語る。奈良地検は崎濱医師を起訴し、草薙さんを不起訴にした。草薙さんはこの結果に自分が起訴されるべきだったと思っていたという。

CM [corner=11512106]

ザ・ドキュメント [corner=11512107]
さまよう信念 情報源は見殺しにされた メディアVS検察権力 [topic=17549191] 詳細
[ 01:53:00 - 01:59:10 ] 370秒 詳細
崎濱医師は初公判で調書をみせたのは少年が殺人者であるという情報の誤解を解くためだった。正当な理由があり、秘密漏示罪にはあたらないと無罪を主張した。法廷の外では草薙さんの取材手法に厳しい目が向けられた。想定外だった強制捜査と情報源の逮捕。事態を重くみた講談社は第三者委員会に調査を依頼した。報告書で出版に至る過程が面びやかになった。診察で不在の崎濱医師から鍵を預かって崎濱医師の自宅に入った草薙さんや講談社の記者らは、ダンボールに入った審判資料を確認。崎濱医師からコピーはダメと言われていたが、大量にあったためにカメラで撮影した。雑誌では調書の引用は避け崎濱医師の事前チェックも受けていた。しかし本は調書をそのまま引用。崎濱医師も出版直前にも知らされていなかった。そして草薙さんの原稿を元に本を書き上げたのは講談社社員の編集者だったことも発覚。ノンフィクション作家の吉岡さんは内容がどんどんドラマチックになっていてもっと無能な編集者ならこんな問題は起きなかったと冗談で言うほど優秀だったのは仇になったという。しかし当時出版に反対したのは週刊現代の編集長の加藤晴之氏。供述調書は少年が本当に意図したものではなく、書き手が創作をいれるのは当たり前で、あの本は供述調書そのままを使っているがそれに対して批判がないという。覚悟を決めて供述調書を公開するなぜならばがないという印象をうけたという。草薙さんは崎濱医師に出版前に見せなかった理由については責任は自分たちにあり医師の責任にはしたくないという思いがあったという。この本を出すことに崎濱医師は関係ないと言いたかったという。
[ 01:59:10 - 02:04:40 ] 330秒 詳細
なぜ供述調書を見せたのか?崎濱医師は法廷で問われた。少年が殺人犯だという誤解を解きたかったと語り、自分の信念はそのままあるので後悔はしていないと語った。そして一審判決で崎濱医師は執行猶予のついた有罪判決となった。裁判所は崎濱医師の思いは主観的なものにとどまっているとして崎濱医師の主張を退けた。諸永さんはこの事件で私達は情報源を見殺すことになった事件でもあったと答えた。諸永さんはその後検証記事を書くことにした。草薙さんへの批判に熱を上げたメディアが、報じなかったこと。検察が少年と父親による刑事告訴を主導し、草薙さんを起訴しようと男女間ねらいの行き過ぎた捜査があったと指摘。競って検察の情報を流し続け捜査の問題を追及しなかったメディアに疑問を投げかけた。崎濱医師は最高裁判所まで無罪を争ったが有罪が確定。一年間医師としての資格も失った。

CM [corner=11512211]

ザ・ドキュメント [corner=11512212]
さまよう信念 情報源は見殺しにされた メディアVS検察権力 [topic=17549330] 詳細
[ 02:07:40 - 02:14:02 ] 382秒 詳細
情報源が強制捜査で明らかにされ、逮捕起訴される事件はまた起きている。崎濱医師は事件前から児童心理治療施設で嘱託医を務めている。崎濱医師は草薙さんの取材を受けた理由に事件の少年が殺人鬼という扱いを報道で含んでいたのでこれは違うと感じたという。その取材をうけた意図は本で果たされているか?に崎濱医師は本では果たされていないという。捜査側の供述調書はお決まりの解釈で書かれるので発達障害を含んだ記述ではないという。草薙さんに対しては発達障害のことを真剣に取り扱ってくれるジャーナリストがいなかったのでそれを取り上げて世に出していこうとあったが、裏切られたなどの怒りの感情だけというものではないという。草薙さんは事件から仕事を失ったと答えたがまた伝えていきたいと考えているという。

CM [corner=11512235]